私が初めて4サイクルグローエンジンを動力としたアクロバット用のラジコン飛行機を手に入れた時の苦い経験をお話しします。
この記事が、現在はまだトレーナー機を飛ばしているけど、そろそろ運動性能の良いアクロバット機にも挑戦してみようかと考えているフライヤーの参考になれば幸いです。
当時はファンフライ機とアクロバット機の違いも分かっていなかった
私がまだ京商のトレーナー40などを飛ばしていたころ、50クラスの4サイクルグローエンジンを搭載したファンフライ機にはとても興味がありました。
興味はあるんだけど、まだまだヘタクソな自分には無理だと言い聞かせて、EPP製の小型電動機で一生懸命に練習して、バッテリーの続く限りホバリングが出来るようになり、コブラでゆっくりと前進出来るようにもなった頃
ついにかっこいいという理由だけでプロフィールプライマス50を購入したのです。
なぜファンフライ機に興味があったのにプロフィールプライマス50を購入したのか?
いまとなってはおかしな話ですが、まずは板プラと愛称があったようにファンフライ機と同じ板状の機体だったことでプロフィールプライマス50もファンフライ機だと勘違いしていました。
そして「トルクロール入門機」というセールスポイントに、トルクロール=ファンフライ機という概念があり、自分では何の疑いもなく「ファンフライ機」を購入したつもりでした。
トリム調整からプロポの設定までお願いした
勘違いのまま、さっそくメカを積み込み、初飛行から2-3回目までは今まで飛ばしていた機体と同じように上空でスタントの真似事をするもスローアクロへ足を踏み込む勇気はなかなか出ませんでした。
そんなある日、飛行会でホクセイモデルの池田さんに会い、「池田さん!私もついにホクセイユーザーになりました!プロポもフタバに代えました!この板プラのセッティングお願いします!」と無理なお願いをしました。
池田さんは気軽に引き受けて下さり、「おお!俺の板プラでもそんな事が出来るのか!」という驚きの生フライトを見せてくれながらチョイチョイとプロポのセッティングまでしてもらいました。
調整中に絶体絶命のトラブル発生も
そして…セッティングも煮詰まり池田さんがそろそろ着陸させようとしたとき「ラダーが効かんでー!」という池田さんの声が。
よく見れば私の整備ミスでラダーサーボのホーンが外れています。それだけならまだマシですが、テールギヤのスプリングでラダーが引っ張られて思いっきりキレたままではないですか!
私は男らしく潔く「池田さんありがとうございました。メカさえ回収出来たら良いのでその辺に無理やり落として下さい」と私は完全にあきらめました。
しかし、恐るべし池田さん!思いっきりキレたままのラダーの状態でも幅5mほどの狭い滑走路に着陸させたのです!!
着陸後にはラダーと連動してとんでもない方向に向いてるテールギヤのせいで滑走路を外れ脚が少し曲がりましたが、私ならあんな状況なら絶対に大破です。
やっぱり池田さんはすごい腕を持ってるなと再認識しました。
いよいよ自分でスローアクロに挑戦するも
と、いった事があって自分の機体でもスローアクロは出来るんだ!という自信を持つことが出来て…
「俺もいよいよエンジン機でスローアクロに挑戦する時が来たのだ」と自分に言い聞かせ、よし!まずはエンコンを下げていくぞ!と…
うーん?どうだ!
胴体3カ所バキバキですわ……
一気に失速して墜落
EPP製の小型電動ラジコン飛行機と同じようにスロットルを徐々に下げていき、私の想像ではそのままコブラ状態になると思っていたのですが、現実は頭を下げて一気に失速。
中途半端な高度だった為、なにも舵が効かないまま地面に激突しました。
実機と同じようにまさに失速墜落でした。
わけが分からずトルクローラー小野さんに相談
「なんで???」です。
墜落した時には池田さんはすでにいませんでしたし他のフライヤーもスローアクロには精通していなかったため「一体どうやって操縦するの?」、「小型電動機と何が違うの?」と悶々した気持ちを抱えたまま家に帰りました。
そしてすぐさまプロフィールプライマス50の開発に協力していたトルクローラー小野さんにメールで状況を説明し「一体僕は何を飛ばせばいいんでしょうか?」とメールを送り聞いてみました。(せっかく一生懸命に調整してくれた池田さんには墜落させた事を言う気になれませんでした)
そして衝撃の事実を知る
そして、即座に送られてきた小野さんの返事には「EPP製の小型電動機からいきなり板プラみたいなアクロ機は無茶です!」と冒頭に書かれてありました。
この時点で私はようやく恥ずかしい事実に気づきました。
そうです板プラつまりプロフィールプライマス50はアクロ機であってファンフライ機ではなかったんです。
池田さんや小野さんが動画でファンフライ機F-AIRなどと同じようにフライトさせているのを見て勝手にファンフライ機だと思っていたのです。
そして板状というカタチだけで板プラ50を購入したのです。
プロフィールプライマス50は実はアクロ機だった
小野さんに送ったメールで「初めてファンフライ機をフライトさせたのですが…」と書いてしまった自分がとっても恥ずかしくなったのです。
小野さんはそんな誤解を指摘するでもなく淡々と説明を続けます。
そして答えは「初めて50クラスの4サイクルグローエンジンを搭載したファンフライ機を飛ばすならエッジF-AIRかGee-Beeです。
翼端の修理の簡単さを考えるならエッジF-AIRでしょう。
この2機ならEPP製の小型電動機からのステップアップに最適です。」とのことでした。
見ればエッジF-AIRは私が練習していた小型電動機アリゲーター2にカタチがとても似ています。
ホクセイモデルのページにもちゃんと「ホバリング入門機」と書いてあります。
ホバリングが完璧に出来る腕前の人が次なるステップである「トルクロール入門機」であるアクロバット機を手にするという順序をようやく知ったのでした。
私は「板プラよ、俺は男になって再びお前を買い、そして今後こそ俺の指さばきでお前をグリグリさせてやる!待っていろ!」という誓いを胸に鼻息荒くショップにエッジF-AIRを2機注文したのでした。
アクロバット機でスローアクロを行うのは至難の業です
このような苦い恥ずかしい経験は今でも忘れる事はありません。
今となってはアクロバット機は簡単に失速させることが出来るからこそ失速系演技であるスローアクロがやりやすい、逆にファンフライ機は失速しにくいのでスローアクロはやりにくと分かります。
コブラもファンフライ機は失速しにくいので、やりにくいですが、アクロバット機なら失速させやすいので状態を維持しやすいです。
皆さんも、機体を垂直に立ててホバリングさせる練習にはファンフライ機、ホバリングの状態で機体を回転させたりコブラでゆっくりと前進させたりするスローアクロ演技を練習するにはアクロバット機、という違いをご理解ください。
じゃないと私のように、まさに痛い目に合います。