VAPEのリキッドを自作する際に使うグリセリン(VG)の定番はファンタジーのグリセリンだと思います。
私もベイプリキッドを初めて自作する時から使い続けてきました。
ファンタジーのグリセリンは250gのパック1つだと900円ほど、250gのパック3つセット(750g)だと1,700円ほどでAmazonで販売されています。
特に何の疑問も持たず、多くのVAPE愛好者がベイプリキッドを自作する際にファンタジーのグリセリンを使っているから、というだけで私もファンタジーのグリセリンを使ってきました。
が、うっかりしていて年末年始の休み中にグリセリンを切らせてしまい、すぐに必要だったので、ドラッグストアに走り、噂にはベイプでも吸えると聞いていたケンエーのグリセリンを買い、吸ってみたのでご紹介します。
ケンエー(健栄製薬株式会社)のグリセリン
ケンエーのグリセリンもVAPEで吸えるとは聞いたことがあるので大丈夫だろうと思って買いましたが、VG(ベジタブルグリセリン)つまり植物由来のグリセリンなのか不明、しかもがっつりと「あかぎれ用薬」と表記されており、当然どこにも「VAPEで吸えます」なんて気の利いた事は書いてません。
でも、「湿潤やただれがひどい人は使用してはいけない」と注意が書かれています。
これはもう完全に自己責任、HILIQのニコチンを初めて使う時よりも襲ってくる不安が払拭出来ないままでしたが、他にグリセリンはないし、作り置きのベイプリキッドも底をついたため、思い切ってケンエーグリセリンを調合したVAPEリキッドを吸ってみました。
ちなみにケンエーグリセリンは100mlで500円ほど、500mlで1,000円ほどでAmazonやドラッグストアで売られており、ファンタジーのグリセリンよりも安価です。
そこがまた不安をあおるのですが…
結果としてケンエーのグリセリンは吸える
はい。ファンタジーのグリセリンと比べて違和感はありません。
webを探すとファンタジーのグリセリンよりも甘いという評判も見つかりますが、私は甘い系のフレーバーを混合しているせいか、吸ってもそこまでグリセリンの甘さは感じません。
ケンエーのグリセリンを吸っても、のどに刺激があるとか、咳き込むとか、何か変だということは起こらず、吸った感じだけでいえば、VAPEリキッド自作には、安くていつでも手に入るケンエーのグリセリンで十分だと思いました。
ケンエーのグリセリンは粘度が低い
ファンタジーのグリセリンに比べて唯一使用感に違いがあるのは、グリセリンの粘度です。
ケンエーのグリセリンのほうがシャバいです。
ファンタジーのグリセリン8にPGを2混ぜたよりもシャバいです。
寒い時期でもケンエーのグリセリン(PGなし)で作ったベイプリキッドをアトマイザーにチャージする時には、F1GPの燃料補給くらい一気にチャージできるほどです。
OCCのタンクを使っててPGで薄めないMAXVGのリキッドは硬すぎて供給が悪くイガって使えないとお嘆きの方は、ケンエーのグリセリンを使うとMAXVGなのにOCCのタンクでも楽々吸えるVAPEリキッドを作ることが可能です。(ケンエーのグリセリンと香料だけでベイプリキッドを作っても実際にはMAXVGではありません)
ケンエーのグリセリンはグリセリン84-87%含有の調剤用基材とされているので、ファンタジーのグリセリンのグリセリン純度99%と比べシャバいのだと想像できます。
ケンエーのグリセリンのグリセリン以外の16%-13%は何なのか、とても気になるところです。
問題はケンエーのグリセリンは吸っても大丈夫なのか?ということ
ファンタジーのグリセリン純度は99%、ケンエーのグリセリン純度は84-87%、これが意味することはなんなのか?
ファンタジーのグリセリンは植物由来だが、ケンエーのグリセリンの原料は何なのか?
これらの疑問について説明している記事を見つけました。
グリセリンには大きく分けて3種類が存在します。
① 日本薬局方グリセリン(85~86%)化粧品等で使用されます。
② 食品添加物グリセリン(85%~99,9%)食品添加物として使用されます。
③ 医薬品用グリセリン(99,9%)医療用で使用されます(石油由来)①と②は天然グリセリンとも呼ばれ主にヤシの実などの「油脂」を原料として製造されています。③は医療用グリセリンと呼ばれ、石油を精製する事により製造されます。
グリセリンの詳細な内容はこちら
日本薬局方(85%)と食品添加物グリセリン(99%)は基本的には同じと言えます。工場でグリセリンを精製した場合、99.9%のグリセリン溶液が出来上がりあがります、これが、ファンタジー社が販売する高純度グリセリンとなります。一方、純度の高いグリセリンは化粧品等で使う際にドロドロして使用しにくいという事で、精製水で割って純度を落として販売しています、この純度を落としたグリセリンがケンエーのグリセリンとなります。
①と②の原料はヤシの実を精製して作られています。一方、③の医療用のグリセリンは安定性を保つ為に限りなく100%に近い状態で精製されます。お客様でよく、高純度のグリセリンの方がいいですか?という質問を頂きますがかならずしも高純度のグリセリンの方がいいというわけではありません。
高純度のグリセリンは粘度が非常に高くそのままでは使いにくい特徴があります、アトマイザーによっては供給不足によってイガり(空焚き)の原因になることもあります、さらに高純度の場合、フレーバーの味がでにくくなります、それを防止する為に精製水やプロピレングリコールで割るのが一般的です。※精製水よりプロピレングリコール(PG)の方が煙の量は多くなります。
85%のグリセリンは精製水で割ってある為、そのまま使用する事も可能です、グリセリンの純度は好みの問題ですので、一概に最適な配合というのは存在しません。爆煙重視で配合したいのであれば、グリセリンの配合率を上げる必要があります。又、フレーバー(風味)重視で楽しみたいのであればグリセリンの配合率を少し下げる必要があります。
kokokaraより引用
いかがでしょうか。
つまりケンエーもファンタジーも同じ成分だけど、ケンエーは精製水で少し薄めている。
だからシャバい。
結果、どちらでもVAPEで吸えるし好みで使い分ければ良いということでした。
モヤモヤがすっきりしました。
とはいえ自己責任、吸い続けてどうなるかは知りません
ご紹介したようにケンエーのグリセリンはVAPEリキッドのベースとして使っても違和感はありません。
一日吸っても大丈夫です。
がしかし、1年間毎日毎日吸い続けてどうなるかは知りません。
webを探してもケンエーのグリセリンをVAPEリキッドのベースとして使って健康を害したという情報もありません。
ファンタジーのグリセリンは私が1年以上毎日吸っても健康を害するようなことはありませんでした。
でもファンタジーのグリセリンを数年間吸い続けてどうなるかは知りません。
誰も保証なんてしてくれないのはVAPEの全てに言えることなので、あらためて言う必要もないとは思いますが、この記事を読んでケンエーのグリセリンやファンタジーのグリセリンをベイプで試すなら、自己責任でお願いいたします。