ある日、私はお金がないこと、そしてこの歳になってもなお負け組みであることに気づきました。
しかも、また明日予定が入っていた土曜日の昼下がり。
カードでキャッシングするのも泥舟に乗って沖にでるようなもの、メルカリであれこれ売りさばいても明日お金が用意できるわけもない。
困った私は、親が若い頃に収集していたけど今はもう興味が無くなったからお前が持っておけと託されていた記念切手を売る事にしました。
親のスネはかじりませんが、記念切手をかじったのです。
近所で見つけた買取ショップに持参したが
ネットで近所の買取ショップを調べたところ、チェーン店らしき、おみくじのような縁起の良い名前のチケット金券ブランド品他なんでも買取ショップを見つけました。
webサイトもありましたが、記念切手高価買取とは書かれていても、買取レートは表示されていません。
なんでも買い取る、なんでも売ってください!というアピールばかりで、切手はもちろんチケットも商品券もビール券さえも、一切の買い取り価格は表示されていません。
でも、相場を調べると、額面52円以上の記念切手シートで85-95%ほど、さらに低いとしても、全国にショップがあるチェーン店のようだし、80%くらいなら買い取ってくれるだろうとショップに出向きました。
先客がいてブランドバッグの査定中だったので、店の中で待っていたのですが、店頭にも切手高価買取と書いてあるだけでレート一覧が一切明示されていません。
私も金券を買い取ってもらうのは初めてで、そういうものかと思って待っていました。
ようやく自分の順番になり、カウンターに座って、ワンオペでホストのような風貌で話し方が生意気な店員さんに、持参した記念切手シートを見せてレートを尋ねたところ驚く答えが返ってきました。
「記念切手のシートは額面の50%です」
は????相場は85-95%なのに?ええ!?まじ??この店やばくない??
総額で約3万円分の記念切手を持ち込んでいたので、買取金額は15000円ほど。
うーんどうしても今日中に金が必要、しかし他のショップに持ち込めば25000円ほどで買い取ってくれるはず。
うーん…と悩んだあげく、断腸の思いで買取は断って帰りました。
田舎で競争相手がいない地域で、他を探すことをしない高齢者や家を空けることが難しい人なら低レートでも買い取ってほしい人はいるでしょう。
でもさすがに私はそんな足元を見た低レートで、親からもらった記念切手を売る気になれませんでした。
webサイトで記念切手の郵送買取のレートを明示している買取ショップに行く
田舎の金券買取ショップはどこも買い取りレートを隠していることに気づき、自宅から1時間ほどの職場の近くに、記念切手額面52円以上のシートなら郵送買取で94%とwebサイトに明示しているショップがあることが分かりました。
店頭買取価格は異なる、電話でも回答しない、とされていましたが、さすがに店頭で50%なんて低レートじゃないだろうと考え、最後の望みをかけることに。
が、しかし時間は16時、今から行っても17時すぎ、大丈夫か?と思いつつ、どうしても今日中に金が要る。
だめならカードキャッシングで急場をしのぎ、後日に記念切手を売って返済するしかないと腹をくくって出かけました。
店頭買取レートは89%だった
到着したのは閉店時間ギリギリ、店頭には中国人のおねーさんが一人でワンオペで、「ううっ、またやってしまったか?」と焦りつつ、記念切手を即日で買い取って欲しいことを伝えました。
閉店ギリギリ、しかもシート枚数も40枚ほどあり、店頭のおねーさんも最初は「この枚数を検品すると今日買い取るのはちょっと…」と、困っていたのですが、私の青ざめている困りようも半端なく、おねーさんもそれを分かってくれて、「ちょと時間かかる待てて」と片言の日本語で言ってくれました。
検品してもらっている間に、店頭に書かれている記念切手の買取レートを見ると、額面52円以上のシートで89%、ぜんぜんOKです。
ちなみに額面50円以下の記念切手シートは86%、どこをどうしたら、おみくじみたいな名前の金券買取ショップの50%という低レートになるのでしょう。
そんなショップでしか買い取ってもらうことが出来ない人たちがかわいそうです。
そうこうしている間におねーさんはテキパキと私が持ち込んだ記念切手を検品してくれて、見積もりを出してくれました。
その額およそ27000円、もちろんその金額で買取をお願いして、ようやくお金を手に入れることが出来ました。
ほっとさせてくれるショップとおねーさんに感謝
親から託された切手、出来るなら売るなんてことしたくない、でもそうするしかない、という苦しい気持ちで買取ショップに出向きます。
そこで予想外の低い買取金額を提示され、そこでまた悩まされる。
それはとてもつらいことです。
そういう弱みに付け込む商売もあるんだと思い知らされましたが、同時に、そんな気持ちで訪れた客をほっとさせてくれる買取ショップもあり、日本人よりも親切丁寧に対応してくれる中国人の店員さんがいることも分かりました。
店頭買取でも余裕を持って出向きましょう
店頭で切手即買取、と書かれていても、実際には20シート以上は基本預かりという切手買取ショップも多いようです。
わたしのように、突然明日お金が要る、なんてことにならないよう日ごろから気をつけるのはもちろんですが、切手買取を希望するなら、郵送でも店頭でも、余裕を持って査定してもらいましょう。
当日に現金が欲しいなら、少なくと午前中に店頭に持ち込むことをおすすめします。
記念切手にプレミアは付かない
記念切手なら、ものによっては額面以上のプレミアが付くのではないか、という甘い期待もありましたが、実際にはそんなことはありません。
極々一部の記念切手にはプレミアも付くようですが、そんな記念切手はあなたの手元にはあるはずもありません。
そもそも記念切手を収集している人も激減し、今後も記念切手の価値は低下する一方のようで、残念ですが、切手は、切手として使うのが一番お得、買い取ってもらうなら、額面割れは覚悟しましょう。
書き損じた年賀状も買い取ってくれる
予断ですが、私が記念切手を買い取ってもらったショップでは、書き存じた年賀状も30円ほどで買い取ってくれます。
しかも当年分だけでなく、数年前の年賀状やはがきもです。店頭のレート一覧表を見れば、「こんなチケットまで買い取ってくれるのか」と驚きました。
書き損じの年賀状なんてどこの家にも埋蔵されていると思うので、郵便局で交換じゃなく、現金化したい人は、webサイトで切手やハガキ、チケットの買取レートをちゃんと明示している優良な金券買取ショップを利用してはいかかでしょうか。