エクストリームとは「極度の、非常な、きわめて厳しい、極端な、過激な」というような意味で使われます。そのようなラジコン飛行機の飛ばし方をエクストリーム系フライトと呼んでいます。
私は小型電動ラジコン飛行機アリゲーター2というキットを3箱買って練習を積んできましたが、製作する度に前回気づいた部分を改造してきました。そして3機目もボロボロになり、ついに4機目で自分の求める過激な飛行が出来る機体となり、その過激な飛行を見ていた人がエクストリーム系フライトと命名したことから、私も気に入ってエクストリーム系という言葉を使っています。
アウトドアで風が強くても飛ばせる機体が必要
私が飛ばしている小型電動ラジコン飛行機は元はアリゲーター2という機体で、使用するパワーユニットによってインドア、アウトドア兼用できる機体でしたが、標準仕様のままインドアで飛ばすと、インドア専用機のほうが簡単に飛ぶと感じる人が多かったでしょうし、アウトドアでも地面に置いた機体が転がるような風の時には、多くの人が飛ばす事は出来なかったでしょう。私も当初は風の強い時にはどんどん機体が風下に流され、戻そうとしても機体が上下に大きくピッチングして遠く離れた場所に落としていました。
原因の一つは舵角が大きく強風時には敏感に反応して上下のピッチングを指で収められなくなって落とすのですが、だからといって舵角を小さくしていると、緩急激しい風に対して適性な位置に機体をキープ出来ず、やっぱり流されてしまいます。スタント機のような特性がある機体も少しの風には安定感がありますが、強風になると瞬時に確実に舵をいれ、流されないようにするのは大変難しいものです。
小型電動ラジコン飛行機による強風への挑戦
「そんな風強い時にわざわざラジコン飛行を飛ばさない」というのが多くの人の意見でしょう。しかし、小型電動ラジコン飛行機を飛ばす私には「風が強いからやめとく」という言葉はございません。誰もが恐れる強風に打ち勝って機体をコントロールした、という満足感を得る為に私は挑戦しています。
そんな強風下で過激で非常識に飛ぶ私の機体を見ていた先輩が一言「エクストリーム系だな」と。それ以来、私は世間一般が言うアウトドア機以上の剛性を持ち、それを生かして強風下でも平然と非常識に飛ぶ小型電動ラジコン飛行機の仕様をエクストリーム仕様と呼んでいます。
エクストリーム系に硬くて重い機体は不要
強風でも飛ばせる機体って、単純に硬くて重い機体じゃないの?という声も聞こえてきそうですが、私のエクストリーム系小型電動ラジコン飛行機は730ma3Sのリポバッテリーを搭載し、脚無しで全備重量210グラムです。「脚がない?飛行機には脚が必要でしょ?」とお考えかもしれませんが、離陸しようと地面に置いたら一瞬で風に吹っ飛ばされる機体に脚なんて無意味なのです。
アリゲータ2など、このクラスの小型電動ラジコン飛行機キットを普通に組めば700ma前後の3Sリポバッテリーを搭載して270グラム前後が平均的な重量ではないかと思いますので、私の機体ならやや重いインドア機程度、けっして頑丈で重いとは言えないでしょう。
エンジン搭載ラジコン飛行機と同じように飛ぶことを求める、あるいはエンジン搭載ラジコン飛行機と同じようにしか飛ばさない人には一切無関係な言葉ですが、このエクストリーム系小型電動ラジコン飛行機に挑戦しようとするならば、今までEPP製の小型電動ラジコン飛行機に抱いていたイメージを完全に払拭する必要があります。
エクストリーム系フライトに求められる性能
エルロンなど動翼の剛性アップとしっかりとしたリンケージ、プロポのスティックの動きに的確に反応するよう機体の軽量化、最適な動力ユニットの選択、これだけの条件が揃う機体を作れないとエクストリーム系の飛行は不可能です。ついでに言うなら50箇所以上プロペラで体に傷を付けられ、送信機のアンテナを3回折られ、充電器など含めEPP機1機に10万円以上投入することに耐えられる事も必要でしょう。
ここまで読んでいただき、「たかがEPP製の小型電動ラジコン飛行機になんでそこまでする必要があるの?」と感じられたかもしれませんが、それが正しい判断です。真似するもんじゃありません。
チョット息抜きにポイっと飛ばして遊ぶ。ここまでにしておけばどんな機体の作り方でも、安かろう悪かろうのパワーユニットでもそれなりに遊べます。どんな事でも「過ぎたるは及ばざるがごとし」です。が、それでも過激で高度な技術が必要とされるエクストリーム系フライトに興味のある人は、一体どこをどう改造すればエクストリーム系の小型電動ラジコン飛行機へ変身できるのか、今後もアップしていきますので参考にして下さい。

