私がラジコン飛行機をはじめた20年前、当時、宝塚の山中、墓苑やゴルフ場、カートコースの近所にビジターでも利用出来るラジコン飛行機専用飛行場、エアキラー宝塚フライングフィールドがありました。
関西屈指のガソリンエンジン対応ラジコン飛行機専用飛行場
100ccのガソリンエンジン搭載の超大型ラジコン飛行機も飛ばせる飛行場は、滑走路は綺麗なアスファルト舗装、両サイドのセーフティーゾーンには手入れされた芝、オーバーランでもほとんど機体が破損しない植え込み。
おまけにデッキ、テーブル、100Vコンセントまで完備!
オーナーであり大型ガソリンエンジンアクロ機のトップフライヤーである新熊さんが「どうしたらお客さんが機体を壊さず、笑顔で1日楽しんでもらえるか」を本気で考え工夫されている事が、飛ばしてみれば良く分かるラジコン飛行機専用飛行場でした。
他にはない独特の飛行場
飛行エリアは全て山、ノーコンや墜落、騒音などで一般市民に危険や迷惑が及ぶ可能性はほとんどない、ラジコン飛行機の操縦場所として最適な環境ですが、ピットエリア上空以後は飛行禁止。
そしてラジコン損害賠償保険加入は常識ある人間として当然、必要最低限の利用条件でした。
周囲は全て山のメリット
初めて宝塚フライングフィールドを訪れた私のような初心者、河川敷や空き地で縦横無尽に飛ばしていた人は、限定された滑走路と眼下に見える周囲の山々にビビって腰が引けました。
しかし、実際に飛ばしてみると、ウッカリ舵を打ち間違えて普通なら地面に激突する場面でも、宝塚フライングフィールドでは雲の上で飛ばしているのと同じく、機体が操縦者より下を飛ぶ事が可能な為、セーフになる場合も多くありました。
慣れないうちはこの写真のように滑走路の奥に立ち、山の斜面上を飛行させていました。
決められた滑走路に着陸させるプレッシャー
それまでは空き地の適当な場所に自由に着陸させていたフライヤーの多くは、決められたエリアに着陸させるプレッシャーを感じたでしょう。
でも、両サイドのセーフティーゾーンはブレーキが良く効き、オーバーランしても植え込みが機体を止めてくれましたので、一度飛ばしてみると想像以上に機体に優しい飛行場だと理解することが出来たはずです。(広い着陸エリアでも壊してしまう人には効果がないかもしれませんが)
何と言っても宝塚フライングフィールドの滑走路は100ccのガソリン機でも離着陸出来たのですから。
機体全損率は意外と低かった
事実、私はチョー広い笠岡ふれあい空港では、これでもかというほどに機体を全損にしましたが、宝塚フライングフィールドでは小さな破損はあるものの、全損にしたことはありませんでした。
これは宝塚フライングフィールドの飛行エリア、滑走路の下3面が、木の茂る山の斜面であることも大いに影響し、そこに突っ込んでも木の枝がクッションになり機体を守ってくれる為、普通なら木っ端微塵になったであろう墜落でも、ほとんど壊れていなかった、という事がよくあったのです。
私の場合、2000g未満の機体なら滑走路付近の斜面に落としても、5割以上の確率で、フィルムの破れにテープを貼りエンジン再始動してフライト可能でした。
周囲が山なので他人に危険が及びにくい
宝塚フライングフィールドで私のようにノーコン、あるいはエンストで、機体を遠くに逃がしたあげく墜落させると、急で道なき斜面を回収に向かう事は不可能な場合もありましたが、こんな場面こそ、私が宝塚フライングフィールドを安心安全と言い切る最大の利点、「ここじゃなかったら、大変な責任を負っていたかもしれない」なのです。
たしかに他の場所で飛ばしていたら、使えるかどうか分からないメカくらいは回収出来たかもしれません。
そう思えば残念で仕方ないでしょう。
しかし!!あなたが言う他の場所の近所には一般の人、建物、道路などは存在しませんか?
万が一にも加害者になったあなたに、誰が「メカは回収出来て良かったね」と声をかけてくれますか?
本来そのような空域でラジコン飛行機なんて飛ばすモノではありませんし、ラジコン禁止エリアに侵入してフライトさせるなんて論外です。
宝塚フライングフィールドにも、そこへ向かう道路や、他の利用者とその車もありました。
予期せぬノーコンでそんな場所に突っ込む可能性はゼロとは言いませんが、飛行エリアを厳守しマージンを取ってフライトさせていれば、他の場所に比べれば明らかに安全、機体喪失だけで済むラジコン飛行機専用飛行場でした。
ショップが併設されている安心感
他にもいろいろなメリットが宝塚フライングフィールドにはありました。
なんといってもラジコンショップが併設されていたので、燃料やプロペラ、グロープラグなどの消耗品はもちろん、破損した機体を修理するために必要なパーツでさえその場で手に入りました。
初心者のうちは私もそうでしたが、飛ばしに行った1回目の飛行で着陸失敗、前脚破損で当日終了という悲しい場面でも、宝塚フライングフィールドならパーツを入手して修理、燃料が無くなろうが、ペラが折れようが、飛行中にタイヤやサイレンサーが落ちようが、1日中納得するまでフライト可能でした。
山の中ではありますが、車で少し走ればコンビニもありましたし、このように便利な環境のラジコン飛行機は今でもなかなかないと思います。
オーナーの新熊さんと会えるのもメリットでした
それ以外にも、実はこれが一番のメリットかもしれませんが、エアキラー主宰 新熊さんの楽しく勉強になるラジコン飛行機講話、困ったときにズバっと参考になるアドバイス、など、宝塚フライングフィールドじゃないと聞けない貴重なお話が盛りだくさん(新熊さんの手が空いていればですが)
「せっかく来てくれたんだから、トコトン楽しんでほしい」という新熊さんの気持ちをヒシヒシと感じることが出来ました。
川原や空き地で一人、あるいは同じ人のフライトばかり見ていてもなかなか上達しません。
アクロフライトでは日本屈指、チーム・エアキラーのメンバーさんのフライトを見るだけでも値打ちがありました。
今まで疑問に感じていた事に対する適切なアドバイスをもらってステップアップすることも出来ました。
ラジコン飛行機の専門誌を開けば必ず目にする有名ショップ、エアキラーに「遊びに行きたいけど敷居が高そうだ」と臆する必要はなく、新熊さんはいつでも笑顔で歓迎してくれました。
20年経っても心に残る飛行場
20年経っても、宝塚フライングフィールドと、そこで出会った多くの人達のことは、決して忘れることのないエキサイティングで楽しい思い出です。