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ラジコン飛行機の受信機用6Vパックはサーボの能力をアップする魔法の電池?

空物ラジコン

私が経験した墜落の原因は、受信器用の6V電池パックの不良によるノーコンでしたので、回収した受信器用6V電池パックは、テストするまでもなく廃棄しました。

しかし何故に受信器バッテリーパックの電圧が低下した際に働くはずのセーフティー機能が働かずに、即ノーコン、そして墜落になったのか、ずーっと考えていました。

墜落の瞬間は突然やってくる
飛行中に全ての舵やエンジンコントロールのサーボが突然動かなくなり、何も操作できず、完全に機体はノーコンになり、スピンしたまま飛行場から外れた深い谷へゆっくりと吸い込まれていきました。1機12万円以上と自信と信頼を失いました。

電圧低下時のセーフティー機能とは

以前エンジン搭載のラジコン飛行機を受信機電源を4.8Vで飛ばしているとき、エンコンサーボが突然動かなくなり、それ以外のサーボは動作し、わけが分からない状態になったことがあります。

私はエンコンサーボが壊れたと焦っていたところ、ベテランが「それは受信器用のバッテリー電圧が下がったときに起きる現象で、バッテリー容量が少なくなっていることを知らせる為のセーフティ機能が働いているんです」と、教えてくれたのです。

実際に受信器用バッテリーを充電してみると、エンジンコントロール用のサーボは、これまで通りの正常な動作に戻りました。

それ以降は同じ受信器を使っているなら、飛行中に受信器用バッテリーが電圧低下しても、各動翼のサーボは動いて、飛行高度があれば十分手元に戻してくるだけの操作は出来る、と思い込んでいたのです。

セーフティー機能は万能ではない

ところが今回経験したラジコン飛行機の墜落では、セーフティー機能が働いて、エンジンコントロール用サーボだけが動かなくなるのではなく、一瞬で全ての舵のサーボが動かなくなり、何も操作が出来ないまま、墜落させてしまいました。

消費電力は多いけど、確実で高速に作動し、高トルクを発生してくれるデジタルサーボを多用していたこと、充電性能が低下した電池パックを使っていたことなどから、セーフティー機能が働く間もなく一瞬で限界まで電圧が落ち込んだのだろう、と解釈して、それ以上深く考えることもなく過ぎていきました。

が、ある日「なにか使えるサーボがないか?」とプロポメーカーFUTABAの商品カタログをペラペラと見ているときに、私の目は注釈に釘付けになりました。

「受信機のセーフティー機能が作動する電圧は3.8Vです」

なんと4.8Vの電池パックを使用することが前提の受信器でセーフティーが働く電圧が3.8V、たった1V落ちるだけで安全機能が作用する設定なのです。

これは固定された数値なので、私のように6V電池パックを使用していても、同じく3.8Vまで受信器用バッテリーの電圧が低下しないとセーフティーは働かなかったのです。

4.8ボルトの電池パックが3.8ボルトまで電圧が低下したら危険と判断されるなら、6ボルトの電池パックが3.8ボルトまで電圧低下するまで使えるわけはなく、そうなる時は完全放電時でしょう。

3.8ボルトよりももっと高い電圧でセーフティーが効かないと、機体に積み込まれたサーボを制御する電力は残らないのです。

私がラジコン飛行機に搭載していたメカ達はギリギリのスカスカまで電池を使って、そのまま息絶えたのです。

受信機用バッテリを6Vにするメリットとデメリット

標準仕様で4.8Vの受信器用電池パックを6Vに交換すると、サーボのスピードもトルクも劇的に向上するため、大きな動翼を激しく高速で動かす必要があるアクロバット飛行を行うには、多くのパイロットが、受信器用バッテリーに6Vの電池パックを使用しています。

もちろん私もそうしていますし、4.8Vの受信機用電源では70クラスのエンジン搭載ラジコン飛行機を過激にアクロバット飛行させることは絶対に出来ません。

まるでグレードアップした高級サーボを使っているかの操作フィーリングに、6V電池パックが魔法の電池のように感じます。

しかし、使用はすべて自己責任、プロポメーカーは受信器用バッテリーに4.8V電池パックを使うことしか前提に機能設計していないので、過負荷による故障の恐れがあることや、受信器用電源の電圧低下時に働くセーフティー機能は、6Vバッテリーパックなら完全放電しても作動しないことを理解しておく必要があります。

私のように不注意な事をする人は極まれでしょうが、受信器用電源に6Vバッテリーパックを使うなら、毎回飛行前に満充電しておくのはもちろん、くれぐれもバッテリーパックの状況を常に確認して、少しでも劣化、容量不足が見られるなら絶対に使用しないなど、十分な電池管理のもと、ラジコン飛行機ライフをお楽しみ下さい。