塩をお風呂の湯に入れる塩湯や、塩で身体を洗ったりシャンプーする塩浴の美容効果やニオイ対策について書いているなかで、私は「使う塩はミネラルが含まれている粗塩などでなく安価な精製塩で十分」と書いています。
後から調べて分かったのですが、現代主流の製塩方法であるイオン交換膜法で作られた精製塩は安価でミネラル分が含まれていません。
イオン交換膜法以外の方法で作られた精製塩は割高で、ミネラル分が含まれているものがあります。
もちろん天然塩と呼ばれる昔ながらの製法で作られた塩にはミネラル分が含まれています。
よって、このサイトでは、塩の種類を、ミネラル分が含まれている塩、ミネラル分が含まれていない塩という言い方に統一し、読んでくれる皆様に誤解のないようにします。
言い改めまして、私は塩シャンプーや塩石鹸として使う塩は、ミネラル分が含まれていない安価な塩でも十分だと書きました。
しかし、塩を使った美容効果を試していると思わせるような記事を書いているWebサイトでは、どこもどれも「ミネラル分が豊富な粗塩だ、*天然塩だ、なんならヒマラヤの岩塩だ、いや私が満月に念を込めた意味不明な塩だ!だ!だ!」というネタで埋められています。
安価に手に入る一般的なミネラル分が含まれていない塩には美容効果がないのでしょうか?
*天然塩という商品表記は法律で認められていません。
イオン交換膜法で作られた精製塩にはミネラルがほとんど含まれていない
にがり(苦汁、滷汁)とは、海水からとれる塩化マグネシウムを主成分とする食品添加物。海水から塩を作る際にできる余剰なミネラル分を多く含む粉末または液体であり、主に伝統的製法において、豆乳を豆腐に変える凝固剤として使用される。(参照ウィキペディア)
イオン交換膜法で作られた精製塩にはその製法上、ミネラル分がほぼ含まれていません。
一方、イオン交換膜法以外の方法で作られた精製塩や、天然塩と言われる昔ながらの製法で作られた粗塩には、ミネラル分が多く含まれているようです。
塩を食べる場合には、ミネラル分の有無は重要な要素であり、昔から生産されていた天然塩からイオン交換膜法で作られた精製塩に市場の塩のほとんどが切り替わって以来、成人病が増加したという報告をする研究者もいます。
塩にミネラル分が含まれなくなったから、というのが理由です。
私も口にするなら、理由や効果はよく分かりませんが、なんとなくミネラルを多く含む塩を選びたいです。
が、何でも逆の事が言われるもので、ミネラル分を含む「にがり」は危険、摂取しすぎると寿命を縮めるという意見もあります。
実際はどっちがどうなのか、我々一消費者に判断できることではなさそうです。
ミネラルが含まれていない塩の見分け方
商品パッケージを見ただけで「イオン交換膜法で作られたミネラル分の含まれない塩」なのか、それ以外の方法で作られ、「ミネラル分が含まれる塩」なのか、見分けることが出来るのでしょうか。
塩の商品パッケージには栄養成分表示や製造方法が記載されています。
その中で、製造方法に「イオン膜」と記載されている塩が、安価でミネラル分が含まれていない塩になります。
たかが塩、されど塩、塩でこんなに熱く語る日が来るとは思ってもいませんでした。
ここで話をようやく元に戻します。
他の美容系Webサイトで誰が言い出したか分からない、「ミネラル豊富なにがりを含む粗塩じゃないと美容効果がない」という説、本当でしょうか?
肌や髪に、にがりに含まれるミネラル分が必要だなんて聞いたことがありません。
塩シャンプーや塩石鹸、あるいは塩浴や塩湯などの美容に用いる塩に、ミネラル分が含まれている塩は必要なのでしょうか。
ミネラル分の有無で塩美容を試してみた
まずはミネラル分を含まない塩で、塩シャンプーや塩浴、塩湯を試してみた体感的な結果です。
顕微鏡レベルの細胞変化、一年以上の長期実験結果ではないことをあらかじめご了承願います。
ミネラル分を含まない塩
使った塩はこちら
1㎏で税込み90円の、イオン交換膜法で作られたミネラル分を含まない安価な塩です。
結果はこちら
お風呂上がりの肌や顔の感触は、石鹸で洗った感じとは全く違ってしっとりしています。
髪もリンスなどしないのにギシギシしませんし、頭皮もすっきりしています。
化粧水やローションで手入れしないまま数時間後も肌の感触は変わらず、皮脂が天然の美容液になっていることが実感できます。
塩で老廃物が身体から排出されるからなのか、軽く感じますし、ストレスも洗い流されるのか、リラックスした気持ちになれますし、ぐっすりと眠ることが出来ます。
海水に浸かった後のように髪が重く肌がベタベタした感じは一切ありません。
夏場でも夕方になって髪がベタっとしたり、頭皮がかゆくなることもなく、普通のシャンプーリンスを使った時よりもサラサラ感が続くとさえ感じます。
顔の皮膚も夕方になっても乾燥したべたつき肌にならず、コンディションが良い状態が続きます。ミネラル分がない塩でも、塩美容の効果を十分に感じる事が出来ます。
ミネラル分が含まれている塩
使った塩はこちら
ミネラル分が豊富に含まれているとされる、あら塩です。1㎏で税込み300円ほどです。
この塩を浴槽のお湯にひとつかみ入れてかき混ぜて20分ほど浸かった後、洗面器に半分ほどお湯を入れて、溶けきれないほどのあら塩を入れてかき混ぜて、塩シャンプーや塩浴で顔や体を洗います。
このあたりは、ミネラル分を含まない塩で塩シャンプーや塩浴を試した時と全く同じ方法です。
ミネラル分が含まれている塩を使って塩シャンプーや塩浴をしている時の感じは、ミネラル分が含まれていない塩と変わりはありませんでした。
ミネラル分が含まれている粗塩なのに何も変わることがなくて拍子抜けしたという感じです。
しかし、風呂上りが違いました。
残念ながら悪い違いです。
ミネラル分が含まれている塩を使うと、しっかり洗い流したのに、髪が重く、肌がしっとりではなく、肌がくっつくような感じです。
あら塩を使うと髪が乾くにつれ、重い感じ、肌もべたつく感じで、これはまさに海に入った後の嫌な感触です。
こんな感触じゃ、塩シャンプーや塩浴を続けるモチベーションは維持出来ません。
朝に試したのですが、夕方には髪も顔もベタベタになり、皮脂コントロールが上手く出来ていないのがわかります。
あら塩のにがり成分やミネラル分が頭皮や皮膚に悪影響を与えているんじゃないか?と感じます。
あら塩が美容に良いと吹聴している美容系Webサイトでも、塩シャンプーを試してみた結果は、頭皮がかゆくなる、頭皮の臭いが気になる、だから頑張って続けないと効果が出ない!という、変なことになってたりします。
私はミネラル分が含まれていない塩を使った塩美容をおすすめします
理屈はどうあれ、ミネラル分の有無は体感的な結果にかなりの影響をもたらします。
ミネラル分を含まない安い塩を使った塩美容は、私には即効性持続性のある効果があります。
反対に多くの美容系サイトが妄信的にすすめるミネラル分を含む塩を使った方法では、ただただ気持ち悪い感じしかしませんでした。
もしあなたが、嘘つきの美容系サイトに騙されてミネラル分の含まれた粗塩による塩美容しか試したことがなければ、是非一度、安価なミネラル分を含まない塩で塩美容を試してみて下さい。
まだ塩シャンプーなどの塩浴を試したことがない人は、他のWebサイトの情報に惑わされることなく、私の言っている感触がどんな感じなのか、イオン交換膜法で作られたミネラル分の含まれない安価な塩でも試してみて下さいね。