スモークフィルムのような薄い材質では簡単に赤外線が透過するのが お分かりになったと思います。
では今度は3mm程の厚みがある黒いプラ板で実験してみましょう。
黒いプラ板が赤外線撮影では透明なガラス状態に
かなり濃い色のついたサングラスのように、肉眼ではわずかに向こう側を見ることができるプラ板を用意しました。
カラー撮影ではただの黒いプラスチックの板のようです。
厚みのある材質ですし光の加減もありますが反対側(奥側)は肉眼では全く見えていません。
単純な事のようですが、このプラ板は可視光線を反射するので鏡のような作用をして、なおかつ可視光線を吸収するので黒く見え、わずかに可視光線を透過させるので反対側の景色が少し見えるという、複雑な性質を持っていることにご注目ください。
カメラのCCDに取り付けてある赤外線をカットするフィルターを外して撮影してみました。
プラ板の奥にある草が見えるようになりましたね。
プラ板が黒く見えているのは当然可視光線の情報です。その情報にプラスされるようにプラ板を透過して奥の草に反射し再びプラ板を透過してきた赤外線情報が記録されています。
さらに赤外線しか通さない赤外線フィルターをカメラに取り付けて撮影した映像です。
3mmの厚さでも赤外線が楽々と透過しているのがお分かりいただけると思います。
可視光線下ではガラスは透明です。この画像と同じですね。
ガラスには可視光線を吸収する物質が含まれていないために人間の目には透明に映ります。(反射作用で映り込む事は有ります)
このことから分かるようにテストしたプラ板には可視光線を吸収する物質は含まれているが、赤外線を吸収する物質は含まれていないということになります。
この記事の赤外線透視撮影の画像について
赤外線をカットする物理フィルターを取り外し、赤外線しか通さない赤外線フィルターを取り付けた、改造ビデオカメラの撮影映像をキャプチャーしたものです。
一般的なビデオカメラは、赤外線を遮断して可視光線しか取り込まない構造になっているので、市販の赤外線フィルターを取り付けるだけでは赤外線透視撮影は不可能です。
「スマホ等のカメラレンズに貼るだけで透撮できる」などとうたう怪しい商品には手を出さないのが賢明です。