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なぜ白いブラウスは透けて下着が見えるのか説明しよう

赤外線

赤外線を用いた透視撮影実験をしていると、素材が同じようであるにもかかわらず、よく透けたり、あまり透けなかったりしているように思えます。

可視光線下ではどうでしょうか?白いブラウスは下着が透けてみえますが、黒いブラウスは下着が透けて見えることはありませんね。これはなぜでしょう?

白く見えるブラウスの場合

白く見えるブラウスは、ほとんど可視光線を吸収していません。言い換えれば、ほとんどの可視光線の波長を反射するので可視光線の七色が混ざって白く見えます。

しかし反射だけでなく、少しの可視光線はブラウスを透過して下着にも届き、そこでまた反射して再びブラウスを透過して人間の目に届きますので下着が透けて見えるのです。

同じように淡いピンクに見えるブラウスでも、吸収されなかった可視光線のいくらかが透過して下着に届くので透けて見えます。

しかしこの場合、本当は白く見える下着だったとしても最初にブラウスで特定の可視光線が吸収されている為に白く透けることはあり得ないのはご理解いただけますね。

ならば黒く見える下着だった場合はどうでしょうか。すべての可視光線が吸収され黒く見えるのですから、ピンクに見えるブラウスから透ける、黒く見える下着はそのまま黒く透けて見えるのです。では黒く見えるブラウスの場合はどうでしょうか。

黒く見えるブラウスの場合

黒く見えるブラウスは可視光線の全ての波長を吸収していますので、黒く見えるブラウスの下にある下着には、可視光線が届かない為に、私たちの目に下着が透けて見えることはないのです。

これは同じ白に見える衣服でもトレーナーのように生地が厚い場合には透過した可視光線が減少していき下着まで可視光線が届かないので透けないのと同じ理由です。

これでおわかりだと思いますが、可視光線下で白だから透ける、黒だから透けないというのは正確に言うと間違いです。白く見える素材だから透ける、黒く見える素材だから透けないのです。

このことは赤外線透過撮影をする上でも非常に重要です。皆さんはマスコミ等の非常に曖昧な解説のせいで黒い衣服は透ける、白い衣服は透けないと思っていませんか?私は可視光線下で白いブラウスがなぜ透けるかを理解するまで、そう思い続けておりました。しかしそうではありません。

可視光線と同じように赤外線を反射し、また少しは透過させる素材の場合、その次にある下着に赤外線が届き、そこで反射して再び素材を透過した赤外線がCCDに届き、私たちはモニターを介して赤外線透視映像を見る事が出来ます。

しかし可視光線をすべて吸収する素材の場合、肉眼では黒く見えるのと同じく赤外線をすべて吸収する素材の場合、モニタ上では黒く表現されるだけであり、当然その次にある下着には、赤外線が届かない為に透けないということになるのです。

また赤外線を反射し、少し透過させる素材であっても生地が厚い場合は、透過した赤外線が減少していき、その次にある下着にまで赤外線が届かない為に透けないのは可視光線下と同じことです。

白い衣服が赤外線撮影で透けないというのは間違い

もうおわかりでしょう、白い衣服が赤外線透過撮影で透けないというのは間違いです。可視光線下で白く見える素材は全ての可視光線を反射するとともに、ほとんどの場合赤外線も反射します。

ですから可視光線下で肉眼では下着が透けている、白く見えるブラウスが、赤外線透過撮影をすると透けなくなる、ということはまずありません。

しかし可視光線をすべて吸収して肉眼で黒く見え、下着が透けない素材でも、赤外線波長なら吸収されないといった素材の場合には、赤外線透過撮影をすることによって白く見え、その次にある下着がモニタ上に映し出されるのです。

ではなぜ白は透けない、黒は透けるという感覚を私はもっていたのでしょうか。その最大の原因は生地の厚さだと推測することが出来ます。

赤外線透過撮影をする場合、肉眼で下着が透けている白く見えるブラウスは、あえて撮影しないでしょう。しかし生地が厚い為に肉眼で透けて見えない、白く見える衣服の次にある下着を見ようと赤外線透過撮影してもやはり透けません。これは上記の理由によります。

しかし肉眼で黒く見える為に透けない衣服であれば、生地を薄くして着心地を良くしている事が多いので、赤外線波長が吸収されない場合はよく透けるということになる訳です。

いかがですか、可視光線を理解する事が出来ると、赤外線の事も少し理解できたのではないでしょうか。