屋内イベント会場など太陽光線のない場所では、使用されている照明器具によって赤外線透視撮影効果がかなり違ってきます。
ここでは白熱球と蛍光灯を使用して、それぞれの透視効果の違いを検証してみました。また太陽光線下での赤外線透視映像と、どれ程違うのかも比較しています。
予備知識として照明器具による赤外線発生量の違いもお読み願います。
白熱電球を使った赤外線透視実験
検証するにあたって太陽光線の影響がほとんど出ないように上の様な倉庫内を利用することにしました。
波板の隙間から若干の太陽光線は入ってきますが、肉眼では照明を消すと真っ暗という感じになる倉庫です。
まず白熱電球の場合を検証してみます。
白熱電球の奥に見える蛍光灯はあえて消してあります。
白熱電球の明かりはこのように被写体を赤っぽくしますが、この効果を利用して肉屋やパン屋では食材を美味しそうに見せているのはみなさんご存じですね。
白熱電球だけしか光源がない状況下における赤外線透視撮影の結果は、このように太陽光線がなくても布地が透けて中が見えることが分かります。
イベント会場などでも白熱電球を利用した照明が多数設置されている場合は、赤外線撮影が可能ですので、そのような会場に行かれる場合は通常のカラー撮影と共に赤外線撮影を楽しむ事が出来るということです。
参考までに大型デパートの服飾コーナーなど、見た目に暖かい感じのする照明はほとんが白熱球を利用していると思います。
蛍光灯を使った赤外線透視実験
今度は蛍光灯で検証してみます。今回は手前の白熱球は消してあります。
ご覧の通り蛍光灯は被写体の色調をおよそ再現出来ますので、魚屋等で食材の新鮮さをアピールする為などに利用されています。
蛍光灯下の赤外線透視実験の結果は、残念ながらこの通りほとんど真っ暗なだけの映像になってしまいました。
このことから分かるのは、蛍光灯からは赤外線がほとんど出ていないと言うことです。
見た目には明るい会場でも蛍光灯しか照明に利用されていない場合は、残念ながら赤外線撮影は不可能です。大型スーパーなどでは蛍光灯のみという場合がよくあります。
屋内での赤外線撮影では常に設置されている照明の種類に気をつける必要がありますね。
太陽光線と白熱電球の赤外線透視効果を比較
白熱電球だけを用いた赤外線撮影
太陽光線(昼間屋外)での赤外線撮影
今度は白熱電球と太陽光線を比較してみました。
色調や撮影角度が変わっていますので分かりにくいのですが、やはり太陽光線の方が若干透けていると思います。
しかし大きな違いはありませんので、照明の条件さえ良ければ、白熱電球で照らされた室内でも十分に赤外線撮影を楽しむことが出来るでしょう。
ただし使用する赤外線フィルターによってはビデオカメラの光量調整が限界になってしまい、映像が暗くなってしまいますので太陽光線下で使用するフィルターとは違う性能のフィルターが必要になる場合もあると思います。
屋内撮影で大切なのは明るく撮影出来る赤外線フィルターを選択するということです。