TRANYAは最近になって登場したワイヤレスイヤホンメーカーです。
クライアントの声に耳を傾け、着心地の良いポータブルなデザインでしっかりとしたリスニング体験を提供することを約束し、最高のリスニング体験を誰にとっても親しみやすいものにし、オーディオ業界の進化を加速することを目標にしているメーカーです。
私も、きっと皆さまも、あまり聞きなれないTRANYAというメーカーのイヤホンが一体どれほどの音なのか、TRANYAのフラッグシップモデルであるTRANYA P1という完全ワイヤレスイヤホンを使ってみたレビューをお届けします。
TRANYA P1の音質
買ってすぐに聴くと、なんとなく薄っぺらく高音が伸びず低音が響かず、音も小さく感じるかもしれません。
しかし、30分くらいボリューム最大で鳴らし続けると、イヤホン各パーツが馴染んできて、本来の音質と音量が出だします。
TRANYA P1はチタン振動板を採用しているので、特に使い始めはしっかり馴染ませる必要があるのかもしれません。
もしも、「TRANYA P1は音が悪い」という評価あるなら、それは箱から出してすぐの音を聴いただけの評価だと思います。
私が聴いた音の感想は次のとおりです。
- 低音域は輪郭がはっきりしていてクイックで、しかも重厚です。
- 中音域は音が良く出ていて艶がありボーカルの通りが良い。
- 高音域はシャリシャリしすぎず、でも、こもっていなくてナチュラルで聞き疲れしません。
何かの音が飛びぬけているとか、特徴的であるとか、ではなく、今まで使ってきたイヤホンの中で、もっとも心地よい音で、長時間聴いていても聴き疲れせず、いつまでも聴いていられる不思議な感覚です。
中音域に音の艶、音の濃厚な感じが出ているのでパサパサしてシャリシャリするだけのイヤホンとは全然違う音質の温かみのある音になっています。
5000円以下の安い完全ワイヤレスイヤホンでも、それなりに音の良いものを探しているなら、TRANYA P1は選択肢から外せないと思います。
TRANYA P1以上の音が出せる完全ワイヤレスイヤホンが欲しいなら、現状はワンランク上のイヤホンを探すしかないでしょう。
TRANYA P1とスマホのペアリング
基本、取扱い説明書とおりにやればスムーズにスマホとペアリングできます。特にiphoneとのペアリングは問題が出にくいでしょう。
しかし私はandroidスマホとペアリングしようとしてトラブルが発生しました。
説明書とおりに、はじめに左右イヤホンのペアリング、そしてスマホとのペアリングを行ったのですが、スマホとのペアリングに時間がかかり、それでも何とかペアリング出来て、スマホで音楽を再生してみました。
ところが!
スマホで音楽を再生開始しても、しばらくイヤホンから音が出ない、ようやく音楽が流れ始めたと思ったら、一瞬だけ聴こえて、しばらく無音、そしてまた一瞬だけ音楽が流れて、また無音の繰り返しに。
そう!ペアリング不調と音楽がブツブツと途切れて全く使い物にならないトラブルが発生したのです。
通常はどんなイヤホンでもスマホとの初回ペアリングは数秒以内に完了するでしょう。
ペアリング不調と音飛び解決方法
結果をいうとペアリング不調と音飛びトラブルは解決できました。
イヤホン側が原因ではなくandroidスマホ側に問題があったのです。
解決方法は次のとおり。
- 説明書を読んでイヤホン側のペアリング設定をリセット
- スマホ側のペアリング設定を削除(このとき、他のBluetooth接続も可能な限り一旦削除する)
- スマホ側のバックグラウンドで起動しているアプリを停止
- スマホを再起動
- 再度ペアリング
この方法でやり直すと、スマホとの最初のぺアリングが数秒で完了、音飛びもなく快適に使えるようになりました。
スマホとの初回ペアリングに長時間かかり、ペアリング出来ても激しく音が途切れて使い物にならなくて困っている人は、他のBluetooth接続設定との相性を疑って下さい。
特にスマホにアプリをインストールしてそのアプリからペアリングするスマートウォッチ等の接続設定が疑わしいです。(android端末特有の症例かもしれません)
TRANYA P1の装着性・操作性
TRANYA P1の装着性は抜群に良いです。
耳への負担は一切感じません。
自分の耳の穴にフィットするイヤーピースを使っていれば、軽く走る程度では脱落の心配がありません。
やたらブラブラとコードをぶら下げている有線接続イヤホンから左右イヤホンがコードで繋がったワイヤレスイヤホンに変えた時にも、スマホとイヤホンがコードで繋がっていない快適さを実感しましたが、左右のイヤホンをつなぐコードすらない完全ワイヤレスイヤホンTRANYA P1の快適さは想像以上でした。
TRANYA P1の操作性
左右イヤホンそれぞれの側面にスイッチが用意されていて、そのスイッチを指先でクリックすることにより、曲の停止や再生、曲送りや曲戻し、ボリュームのアップダウンなど、いろいろな操作が可能です。
これは、どんなメーカーの完全ワイヤレスイヤホンでも同じような操作が出来ます。
でも、タッチするだけで操作できるイヤホンが多くて、でも、触れるだけで曲送りされてしまったり、電源がOFFになってしまったりするので、タッチ式はとても煩わしいです。
TRANYA P1はボタンクリック式なので、イヤホンの位置を直すときとかに触れるだけで反応することがないのがとても使いやすいです。
イヤホンの側面ボタンスイッチはクリック感がしっかりしているのに軽い力で扱うことが出来るので、スイッチをクリックする力で耳が痛くなるようなことはありません。
とはいえ、スマホで操作できることばかりで、あえてイヤホン側で曲やボリュームを操作する頻度は少ないはずで、スイッチでどんな操作が出来るか?、を重視する必要もないとは思います。
だから、イヤホンに触れるだけで反応してしまうタッチスイッチは面倒なだけなのです。
TRANYA P1の連続使用時間
完全ワイヤレスイヤホンは連続使用時間が3時間くらいのものが多いですが、TRANYA P1は連続6時間以上も使用可能です。
この時間は左右のイヤホンを同時に使った場合の時間ですが、仮に片側だけを使ったモノラルモードでも連続使用時間に大差ないようです。
完全ワイヤレスイヤホンは左右のイヤホンもワイヤレスで接続するため、連続使用時間の短さがネックになってきましたが、TRANYA P1は軽量にも関わらず、6時間も使えるようになれば、多くのシーンで困ることはないでしょう。
また付属する専用収納ケースにもバッテリーが内蔵されており、イヤホンをケースに収納するだけで、イヤホン本体への充電が開始されます。
我々が意識して充電するのはイヤホンではなく専用収納ケースです。
つまり外出先でイヤホンの充電が切れたとしても、十分に充電されている収納ケースを持っていれば、コンセントや充電ケーブルがなくてもイヤホンに充電ができます。
この収納ケースからの充電を利用すると、合計40時間の使用が出来るようです。
私の場合は通勤時間往復の合計1時間程度、毎日イヤホンを使っていますが、使うたび収納ケースに戻してイヤホン本体を充電していますが、収納ケース自体の充電残量は1週間程度では一向に減らず、収納ケース1回の充電で合計40時間もイヤホンが使えるというのは大げさな話ではないと分かります。
後日追記
2週間経過しましたが、いまだにケースの充電をしたことがありません。
この調子だと1か月以上も充電する必要がなさそうです。
対応コーデックはAACとSBCのみ
TRANYA P1はAACとSBCコーデックにしか対応していません。
TRANYA P1だけでなく現在市販されている左右独立の完全ワイヤレスイヤホンの多くはハイエンドモデルを除いてAACとSBCコーデックだけしか対応していません。
残念ながらAndroidスマホの多くは標準コーデックであるSBCには対応していても、高音質コーデックとされるAACには未対応です。
AACに対応しているのはiphoneだけといっても過言ではありません。
Androidスマホが対応する高音質コーデックはAptxで、左右がコードでつながっているタイプのワイヤレスイヤホンなら2000円台の格安イヤホンでもaptxコーデックに対応しているのですが、左右のイヤホンもワイヤレスで接続される完全ワイヤレスイヤホンでは一部のハイエンドモデルを除いてatpxには対応していないのです。
よって、androidスマホユーザーは左右独立の完全ワイヤレスイヤホンではiphoneと同じ音質では音楽再生できないのです。
そのうちaptx対応チップセットが安価に流通しだすので、それまでは音にうるさいandroidスマホユーザーは完全ワイヤレスイヤホンは見送ってもいいかもしれません。
しかし!TRANYA P1 はandroidスマホとの接続時に使われるSBCコーデックでも、合格レベルの音質に仕上げてあります。
androidスマホユーザーでも買って損はしない
そういう私もメインで使っているのはandroidスマホです。
そしてこの記事はandroidスマホとTRANYA P1を接続したときのレビューです。
AACコーデックはSBCコーデックに比べ特に高音域がクリアに伸びやかに再生されるという特徴がありますが、中低音域ではSBCコーデックのほうが音が良いと評価する人もいます。
私もこの傾向に同調しています。
TRANYA P1は振動板やドライバーをうまくチューニングしていて、たとえandroidスマホで再生したとしてもSBCコーデックの弱点を補い、利点を増幅しています。
チタン採用ドライバーの振動板と特別に設計されたキャビティから正確な振動を生み出すことにより、高周波数の楽器と中間周波数の人声がよりクリアで透き通りやすくなり、低周波音域がより奥深くなります。聞いているすべての周波数音域をそのまま分析し、リアルで臨場感溢れるサウンドを作り出すことは、TRANYAのアコースティックコンセプトです。
メーカーより抜粋
ハイハットシンバルやシンセサイザーの高音域をiphoneとandroidスマホで聴き比べるとわずかな違いは聴き分けることが出来るかもしれませんが、中低音域の厚みやボーカルの通りの良さは十分で、SBCコーデックだけでも十分に音楽を楽しめるのです。
Androidスマホユーザーは5000円以下の安価な完全ワイヤレスイヤホンがaptxに対応するのを待っていても良し、今このイヤホンを買ったとしても、音が悪くて聴くに堪えなくて後悔する、なんてことはありません。
Bluetooth 5.0対応
TRANYA P1はBluetooth 5.0に対応しています。
2017年に発売されたiPhone 8以降はBluetooth 5.0が搭載されています。
androidスマホでも最近の5-6万円以上のミドルクラスの端末はBluetooth 5.0が搭載されているものが多くなってきました。(端末スペックは各自で確認願います)
つまり、Bluetooth 5.0は、iphoneでも7までは非対応、androidスマホでもまだまだ一般的に対応しているとは言えない状況で、多くのスマホはBluetooth 4.2以下に対応しています。
Bluetooth 4.2でも、これまでの左右イヤホンがコードで接続されているワイヤレスイヤホンでは十分な性能でした。
Bluetooth 5.0は、Bluetooth 4.2よりも高速でデータ通信できて、一度に通信できるデータ量も多くなっています。(とはいえ有線接続とは比べ物にならない貧弱な通信に変わりありませんが…)
左右独立完全ワイヤレスイヤホンは、スマホとイヤホンの通信&左右イヤホン同士の通信が同時に発生するために、ペアリングが不安定になり混雑した場所では音飛びしやすくなる、左右どちらかのイヤホンしか聴こえなくなる、というデメリットがあります。
完全ワイヤレスイヤホンは、まあまあ無茶しているオーディオ機器です。
このデメリットはBluetooth 5.0でいくらか改善されると期待されています。(音質向上とは全く関係ありません)
が、私の環境では、Bluetooth 4.2にしか対応していませんが、TRANYA P1で音飛びが頻繁に発生したり左右どちらかのイヤホンしか聴こえなくなったりすることはなく、Bluetooth 5.0を使って接続できないことの不利益は何も感じていません。
なのでTRANYA P1なら自分のスマホがBluetooth 4.2までしか対応していても、シビアに考える必要はないでしょうね。
完全ワイヤレスイヤホンは音が悪い
完全ワイヤレスイヤホンは音が悪いという評判を目にすることが少なくありません。
私も完全ワイヤレスイヤホンは、特にandroidスマホと接続する場合、音が悪いと思い込んでいました。
しかし完全ワイヤレスイヤホンTRANYA P1をandroidスマホと接続して音楽を聴いて、その考えは間違いであると知りました。
今まで使ってきた1~2万円の左右がコードでつながったaptx・AACコーデック対応Bluetoothワイヤレスイヤホンや、ハイエンド有線イヤホンとは雰囲気の異なる音であるのは事実です。
でも、TRANYA P1は、これはこれで良い音に聴こえます。
っていうか、私は本当に気に入って毎日通勤時に聴いています。
TRANYAは、今は完全ワイヤレスイヤホンを専門に作っている振興オーディオメーカーなので、中心的な販売価格帯ではaptxコーデックに対応できないことを前提に、イヤホンの振動板やドライバー、そしてハウジングなどをSBCコーデック用に研究、そして見直しているでしょう。
もちろん数万円もするイヤホンと比べれば足りない音も多いし、最高のイヤホンだと評価するつもりもありませんが、後発メーカーだからこそ、今までになかった完全ワイヤレスイヤホンを、多くの人が買える価格帯のなかで作り出そうとする熱意が伝わる音だと感じています。
完全ワイヤレスイヤホンは音が途切れる
左右がコードで繋がったBluetoothワイヤレスイヤホンではあまり聞くことがなかった「音が途切れる」「ペアリングが不安定になる」「片側のイヤホンが鳴らなくなる」という不具合が完全ワイヤレスイヤホンで目立っています。
特に混雑した駅などで音飛びやペアリングが不安定になるようですが、これには理由があって、完全ワイヤレスイヤホンはスマホとの接続だけでなく左右のイヤホンの接続にもBluetooth接続を用いているものが多く、そのせいで他人のBluetooth接続と干渉しやすいとされます。
今後、左右のイヤホンの接続に磁気などBluetooth以外のワイヤレス接続方式が広く採用されようになれば、これら不具合は減っていくので、それまでは仕方ない事と思うようにしましょう。
とはいえ、私はTRANYA P1を使っていて一度もそんな不具合を体験したことがないので、大混雑する大きな駅構内では起こりやすい不具合かもしれませんね。
イヤホンの音質を劇的に良くする方法
カナル型イヤホンはイヤーピースの大きさや形状によって音が激変します。
自分の耳の穴の大きさに比べて、緩い楽なイヤーピースを使っていると低音が聴こえません。
このイヤホンには3種類の大きさのイヤーピースが付属していますが、最初からイヤホンに取り付けてあるイヤーピースは中サイズです。
男性なら、一番大きいイヤーピースに交換して音を聴き比べてみてください。
イヤーピースが大きくてキツイと感じるくらいじゃないと、イヤホン本来の音が聴こえません。
あるいは標準で付属するイヤーピースでは自分の耳の穴の大きさや形に合わない人もいるので、市販されているイヤーピースセットを別途購入して自分の耳に一番合うものを見つけることも必要です。
標準で付属するイヤーピースは円錐型ですが、ラウンドタイプ(丸形)のイヤーピースの方が密閉感が高くなり低音が良く聴こえる傾向にあります。
また物理的に外音を遮蔽するパッシブノイズキャンセル効果も高くなり、小さめのボリュームでも十分に音楽を楽しめるようになります。
良いイヤホンを見つけることと、良いイヤーピースを見つけることは同じくらい大事なことです。
ちなみに私が気に入って使っているのはdeep mount earpieceのLサイズです。
耳の穴に密着する部分が広く、遮音性が高く、耳触りがソフトでとても良いイヤーピースです。
完全ワイヤレスイヤホンTRANYA P1の総評
私が完全ワイヤレスイヤホンTRANYA P1をじっくりと使ってみた感想をまとめると次のとおりです。
- 低音域は輪郭がはっきりしていてクイックで、しかも重厚です。
- 中音域はボーカルの通りが良くクリアです。
- 高音域はシャリシャリしすぎず、でも、こもっていなくてナチュラルで聞き疲れしません。
- 装着感は良好で軽い運動程度では脱落の不安がありません。
- 連続使用時間は6時間程度と十分な長さです。
- イヤホンのデザインは洗練されていて耳に付けて不細工に見えません
「あーこれかー」というよくあるイヤホンの音とは一味違ってて、聴けば聞くほど愛着を感じる音質で、他のイヤホンが頑張っている音は控えめですが、他のイヤホンにはないナチュラルで中身の詰まった音質の完全ワイヤレスイヤホンTRANYA P1
そして、いちいち何かとプツプツ途切れて、何もしていないのに左右どちらかの音が飛びやすい、という完全ワイヤレスイヤホンの弱点を克服しているTRANYA P1
予算5000円程度でそれなりに音質の良い完全ワイヤレスイヤホン、プツプツと途切れにくい完全ワイヤレスイヤホンをお探しなら、TRANYA P1を自信をもってオススメいたします。