aptX HDとは?Bluetooth5.0とは?IPX6とは?
さらにはプロファイルやらクラスって何?
Bluetooth接続ワイヤレスイヤホンを買う時に商品説明やパッケージに記載されている対応規格や仕様を見て、自分の用途に適しているのか、自分のスマホで使えるのか、あなたは分かりますか?
ブランドや値段やデザインも重要なファクターですが、コードレスのイヤホンは有線イヤホンのようにコードでスマホと接続するのではなく、Bluetoothで接続するため、Bluetoothの規格はもちろん、用いられるコーデック(音楽データの圧縮方法)があなたのスマホに対応している必要がありますし、スポーツシーンで利用を想定するうえでは防水性能も気になるところです。
あなたのスマホ、あなたの用途にマッチしたBluetoothを使ったワイヤレスイヤホンを選ぶために、対応規格や仕様をまとめて解説していきます。
Bluetoothイヤホンの最重要は対応コーデック
コーデックとはスマホとワイヤレスイヤホンがBluetooth接続で音を転送する際のデータ圧縮形式のことです。
Bluetooth接続のワイヤレスイヤホンで音楽を聴くためには、音楽データをスマホ側で圧縮してイヤホンに送り、イヤホン側で圧縮されたデータを解凍、そして音楽としてあなたの耳に聞こえる処理が必要です。
詳しくはこちらの記事で解説していますが、この圧縮方法(コーデック)により、ワイヤレスイヤホンで再生される音質が左右されるといわれています。
コーデックは、ワイヤレスイヤホンとデバイス(スマホ等)両方が対応していないと使用できません。
SBC | 標準コーデックで、どのBluetooth対応製品でも利用出来ます。ただし圧縮送信時に遅延が発生しやすく、高音域が消えてしまうためサウンドが低品質に感じると言われています。無音時のノイズも他の規格と比べ気になることがある。 |
AAC | 圧縮率はSBCと同等ですが、遅延が少なく高音域の劣化が少ないと言われています。iPhoneなどiOSで標準採用されています。iPhoneにはこのAACコーデックがオススメです。 |
aptX | イギリスのCSR社が開発した規格で、圧縮率が格段に低く、遅延も極めて少なく高音質を得られると言われています。Android4.0以上の端末の75%が採用しているというデータもあります。iPhone等では対応していないので使えません。 |
aptX HD | aptXを拡張したコーデックで、伝送可能なサンプリング周波数は最大48kHzへ、量子化ビット数は24bitへと拡大された。つまりは16bitに比べ256倍もの細かさで音を表現できることを意味し、最大48kHz/16bitのSBC/AAC/aptXに比べ大幅に音質が良くなる。 |
LDAC | SONYが開発したコーデックで、最高帯域がAACやapt-Xの3倍にもなり高音質と言われる規格。現状のBluetooth規格では最高スペックとされ、XperiaなどSONY製品と、一部の他社製品だけが対応。 |
iPhoneユーザーならAACに対応しているワイヤレスBluetoothイヤホンを選びましょう。
ANDROIDスマホのユーザーはスマホがaptX HDに対応していればaptX HDのイヤホンを選びましょう。
その他のBluetooth機器のスペック
Bluetooth接続のワイヤレスなイヤホンは対応コーデックが特に重要なポイントですが、他にもパッケージなどに記載され、知っておくべき仕様があるので解説します。
Bluetoothバージョンについて
Bluetoothバージョンについては出来ることや消費電力に違いがあり、すなわちそれがBluetoothで接続するコードレスのイヤホン自体の性能ともいえるので、以下の内容を覚える必要はありませんが、最近登場したBluetooth5.0などは、スマホ側が対応していない可能性もあります。
たとえばBluetooth5.0の特徴である通信速度2Mbpsなどのメリットは享受出来ない場合があることを理解しておいて下さい。
ちなみに、iPhone6以降はBluetooth4.2に対応しています。
Bluetooth1.1 | 普及バージョン |
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Bluetooth1.2 | 2.4GHz帯域の無線LANとの干渉対策が盛り込まれた。 |
Bluetooth2.0 | Ver1.2の約3倍のデータ転送速度(最大3Mbps) |
Bluetooth2.1 | ペアリングが簡単になった。バッテリー寿命を最大5倍延長できる機能が追加。 |
Bluetooth3.0 | 従来の約8倍のデータ転送速度(最大24Mbps)を実現。電力管理機能を強化し省電力化を図っている。最新の4.0よりも通信速度は速い。 |
Bluetooth4.0 | 大幅な省電力化を実現する低消費電力モードに対応。通信速度は1MbpsですがiOSではイヤホンの電池残量が表示されるようになった。 |
Bluetooth4.1 | IPv6のサポートで、インターネットへの直接接続が可能に。LTEとの電波干渉を改善。自動再接続機能追加。さらに省電力化された。 |
Bluetooth4.2 | 6LoWPANにも対応したことで、モノ(機器)同士がネットワークで繋がるようになった。また、従来の10倍のパケットサイズをサポートしたことで、転送速度が最大2.5倍に拡大した。 |
Bluetooth5.0 | Bluetooth LE(BLE)の最大速度が2倍に高速化し、最大通信距離が400mまで対応した。通信速度はBluetooth 4.2の2倍となる2Mbpsに向上、通信範囲も4倍に拡大した。 |
Bluetoothのバージョンについてご説明しましたが、ワイヤレスのイヤホンやヘッドホンにおいてはBluetoothのバージョンが音質に影響することはありません。
また、どんなに高速通信が出来るようになっても、先にご説明したコーデックの処理スピードには限界があり、音の遅延はBluetoothのバージョンのせいではなく、コーデックの処理が遅いから起こります。
連続使用時間を左右する消費電力についてはBluetooth3.0という大昔の規格以降であれば、大きな差にはならず、つまり、現在発売されているワイヤレスのイヤホンやヘッドホンはBluetoothのバージョンなんて気にする必要はありません。
クラス(通信距離)
Bluetoothでつながるコードレスのイヤホンとスマホが離れて通信できる距離の目安を表しています。
パッケージ等には「通信距離」と分かりやすく書かれていることが多いでしょう。
ほとんどのBluetoothイヤホンはClass2、通信距離最大10mとなっています。
ちなみにappleのBeatsX等はClass1相当の通信距離をうたっています。
- Class3:最大1m
- Class2:最大10m
- Class1:最大100m
防水・防滴
ワイヤレスの利点を活かしてスポーツシーンでイヤホンの利用を考えているなら、トレーニングで流れる汗でもイヤホンが故障しない防水性能も重要なファクターです。
一口に防止仕様といっても、その等級によって防水性能もさまざまなので、自分に必要な防水性能を把握しておきましょう。
等級IPX3からが防水とされますが、たとえばたくさんの汗をかく運動をしながらBluetoothワイヤレスイヤホンで音楽を聴くならIPX4以上の防水性能があれば安心です。
IPX5ならジャワーを浴びながらでもイヤホンで音楽を聴くことが出来るでしょう。
ただし、実環境下での防水性能については防水加工の精度や利用状況等に大きく影響を受けるので、等級内容を過信することは禁物です。
等級 | 内容 |
IPX3 | 防雨形:鉛直から60度の範囲で落ちてくる水滴による有害な影響がない |
IPX4 | 防沫形:あらゆる方向からの飛沫による有害な影響がない |
IPX5 | 防噴流形:あらゆる方向からの噴流水による有害な影響がない |
IPX6 | 耐水形:あらゆる方向からの強い噴流水による有害な影響がない |
IPX7 | 防浸形:30分間水深1mに水没しても内部に浸水しない |
IPX8 | 水中形:継続的に水没しても内部に浸水することがない |
プロファイル
プロファイルとはBluetoothをその機器(たとえばイヤホン)でどのように使うかを定義したものです。
プロファイルを利用しるには送信側、受信側が同じプロファイルに対応している必要があります。
Bluetoothで接続するワイヤレスイヤホンの場合、パッケージ等に表示されているプロファイルを見るだけでも、どんなことが出来るのか分かります。
Bluetoothのプロファイルは多くありますが、Bluetoothイヤホンでは、「A2DP」「AVRCP」「HFP」「HSP」の4つのプロファイルが利用されています。
- A2DP:音声をステレオで伝送するために必要なプロファイルです。
- AVRCP:Bluetoothイヤホンに搭載されているコントローラーで曲を送ったり停止したり出来ます。
- HSP:携帯とヘッドセットを接続してモノラル音声のやり取りが出来ます。
- HFP:HSPの機能に加え、通話開始操作などもハンズフリーで使用可能です。通話および通信の発着信に使用されます。
スマートフォン用のBluetoothワイヤレスイヤホンには、基本的にこれら4つのプロファイルが使われます。
ただし片耳タイプの通話に特化したBluetoothイヤホンやヘッドセットでは、ほぼ、A2DPとAVRCPをサポートしていません。
iPhoneユーザーはSiriに対応しているかもポイント
BeatsXをはじめとするBluetooth接続のコードレスイヤホンのなかにはiPhoneやiPadなどのiOSデバイスに搭載されている音声アシスタント「Siri」を呼び出して使えるイヤホンもあります。
ワイヤレスBluetoothイヤホンがSiriを呼び出せる場合は、商品カタログやパッケージ、メーカーのWebサイトに記述されているはずです。
ただし現行機種でも、Siriの呼び出しに対応していない製品もあるので、この機能を使いたい場合は、購入前に忘れずに確認しておきましょう。
マルチペアリング・マルチポイント
基本的にBluetooth接続のワイヤレスイヤホン、ヘッドセット、ハンズフリー機器は1対1でスマホと接続されますが、なかには複数台のスマホの接続設定を保存し、スマホからの接続要求に応じて設定を切り替えてくれたり、同時に2台のスマホとペアリング(接続)出来るものもありますのでご紹介しておきます。
マルチペアリング機能
1台のBluetoothワイヤレスイヤホンなどに、複数のBluetooth対応スマホなどのペアリング(接続)設定を登録しておくことが出来る機能です。スマホ2台持ちの人には特にうれしい機能でしょう。
マルチポイント機能
1台のワイヤレスBluetoothイヤホンが同時に複数のBluetooth対応スマホなどとペアリング出来る機能です。
一台のタブレットと接続して音楽再生、もう一台同時にスマホを接続して電話の待ち受け、というような便利な使い方が出来ます。
著作権保護規格
ワンセグ等の試聴をする場合は必須な著作権保護規格がSCMS-Tです。この規格に対応していないとテレビの音声などをBluetoothで送信出来ません。
appleのW1チップ搭載BluetoothイヤホンBeatsX
appleのW1チップを搭載したBluetoothワイヤレスイヤホンBeatsXの場合、ここで説明した規格と別に独自開発された次のような機能が搭載されています。
- Apple製品との簡単なマルチペアリング
- Fast Fuel機能により5分の充電で約2時間再生
- iOSとAndroid両方に対応
- RemoteTalkによって通話や音楽のコントロールに加えSiriの起動も行えます
- Class1対応の電波強度
- Apple W1チップで優れた省電力化を実現
ワイヤレスBluetoothイヤホンの対応規格や仕様まとめ
ここでご紹介した規格や仕様を理解しておけば、自分のスマホや用途に応じたBluetooth接続のワイヤレスイヤホンを選ぶことが出来るはずです。
特にコーデックを理解していないと、宝の持ち腐れになってしまうこともあるので、忘れないようにしてください。