マジェスティ250 2型が、50km/h以上スピードが出なくなって、キャブレターのダイヤフラムを交換し、加速まで良くなりご機嫌だったのも束の間
ご機嫌ついでにエンジンオイルを交換して、オイル量が規定値なのを確認、そのまま1時間ほど置いて、エンジンをかけると大量の白煙がマフラーからモウモウと噴き出てきました。
とっさにオイル量を再確認しましたが、ゲージの中間より少し上あたり、特にオイルを入れすぎてもなく、突然の白煙に目の前も真っ白になりました。
オイル交換しただけなのに、なぜ突然にマフラーから白煙が出るようになってしまったのか?、原因は分からず、しばらく乗れば症状が収まるかと淡い期待をしましたが、数日経過しても一向に収まる気配がありません。
オイル交換で、何かが、たまたま、どうにかなって白煙が出た、のではなく、機械的に致命的に故障していると判断するしかなく、嫌々ながら自分で修理した顛末を綴っておきます。
不具合の症状
乗り終わってから数時間以上経過後した朝一など、にエンジン始動すると、オイルの焼けた臭いとともに辺りが白くかすむほど大量の臭い白煙がマフラーから出る。
そのまま乗り続けてエンジンが完全に暖まると白煙は目立たなくなる。
1~2時間程度の間隔で乗ると、エンジンが冷えていても始動時の白煙は目立たない。
補足すると、中古28,000kmで購入した時からオイル消費量は多く、1000kmくらいでレベルゲージにオイルが付かなくなっていた。
オイル消費の多さについては、「マジェスティ250はそんなもんだろう」と深刻には考ず、オイル交換のタイミングまではオイルを補充しながら乗っていた。
考えられる原因
一定時間停車したのち、始動後すぐにオイルの焼けた白煙が出ることから、まず第一に考えられる原因は、オイル下がりです。
オイル下がりとはエンジンのタペットカバー内を潤滑しているオイルが、バルブのステムシールの間から漏れ出し、燃焼室に流れ込み、そこでオイルが燃えて白煙がマフラーから出る症状です。
一定時間停車中にバルブのステムシールから少しずつオイルがシリンダーに流れ込み、エンジン始動で一気に燃やされるために、大量の白煙が出る、と考えられます。
つまり原因は、エンジンのバルブステムシールのヘタリ
シリンダーヘッドを外して、ヘッドからロッカーアームシャフトを抜いて、ロッカーアーム、バルブを取り外し、ようやくステムシールを交換することができます。
考えただけでも気絶しそうなくらい面倒くさい作業です。
さらにオイル上がりの故障も完全には否定できません。
オイル上りは、シリンダーとピストンリングのクリアランスが大きくなりクランクケース内のオイルがシリンダーに上がり、燃えて白煙が出る症状です。
一般的には、どうせエンジン修理するならオイル下がりとオイル上がり両方の原因と考えられるパーツをすべて新品に交換するほうが無難とされます。
となると、ステムシール、ヘッドガスケット、シリンダー、ピストン、ピストンリング、シリンダーガスケットは新品を用意しなければなりません。
そう考えると気絶どころか毎日を生きていく気力すら失せてしまいます。
- なぜ、3万km程度しか走行していないのに、こんな大変な修理が必要なのか?
- バイクはそんなにも程度の悪いつくりなのか?
- 車ならオイル交換をちゃんとしていれば10万kmでも白煙なんて出ないのに…
唯一所有する、日常の足として使っているバイクが不具合で乗れない。
これほど嫌で憂鬱なことはありません。
まずは粘度の高いオイルを入れてみた
マジェスティ250 2型にはいつもは10-30Wの合成油を入れていました。
取説を見ると指定オイルの粘度は10-40Wとなっていました。
10-40Wは粘度が高くてエンジンの回転抵抗が増えて燃費は悪くなるが、油膜が切れにくく、オイルが漏れにくいという特徴があります。
私は「30Wだからオイルが漏れるに違いない!」と神に祈る気持ちで40Wのオイルに交換しました。
神に祈った結果、なにも変化なく、モウモウと臭い白煙がマフラーから噴き出ました。
たしかにある程度の時間停車後にエンジンをかけた時の白煙の量は少し減ったかな?とは思いました。
しかし、夜に停車して次の朝にエンジンをかけた時の白煙の量は何も変わらずすごいままだったのです。
次はワコーズ EPS エンジンパワーシールドを試す
オイルの粘度を上げても効果なかった。
エンジンオーバーホールなんて面倒な事は自分でやりたくない。
でもバイク屋に修理に出すと軽く6~7万円以上かかる。
そこで、次に試した(逃げた)のが、オイル下がりオイル上がりに一定の効果があると評判のワコーズ EPS エンジンパワーシールドです。
オイルと混ぜてからエンジンに添加後、しばらく走行すると白煙が収まるといわれています。
2サイクル車や湿式クラッチ搭載車(オートバイ等)には使用できません。
私はこんなケミカルごときで機械的に壊れているオイル下がりやオイル上がりが直るはずがないと思い続けてきました。
しかし、人間は弱った時にワコーズに頼りたくなるのです。
前置きはこれくらいで、結果を発表します!
ワコーズ EPS エンジンパワーシールドを添加後200kmほど走行しましたが、白煙が消えることはありませんでした。
ごく少量の白煙なら効果が出たのかもしれません。
しかし、私のマジェスティ250 2型の故障にはワコーズ EPS エンジンパワーシールドは効果を発揮してくれませんでした。
この時はそう思いました。が、実は300kmほど走行後に白煙が少なくなりはじめました。
いよいよエンジン修理に取り掛かる
必要なパーツすべてを純正部品で調達すると軽く3~4万はかかる。
中華製のシリンダーとピストンキットなら6,000円ほどで売られている。
中華シリンダーの評価は悪くないが、自分的には耐久性に疑問が残る。
数千kmなら大丈夫かもしれないが、数万km持つか?は誰も言及していません。
どうしたものかと悩んでいると、知人が、
「全て純正部品でオーバーホール後に1万キロも走行してしていないエンジン本体を丸々を譲ってやる」
「ヘッドは面研に出して圧縮比を高めてパワーアップしている」
「ミッション回りは加速重視のプーリーやら新品交換したばかりのVベルトも付けたままで渡す」
これを4万円でどうだ!と声をかけてきたのです。
私は吐きそうなくらい悩みました。
- 中華パーツで自分でオーバーホールすれば1万円くらいで出来る
- でも、自分でオーバーホールするのは面倒
- エンジンユニットを乗せ換えるだけなら半日で終わる
- しかも自分では買えない純正の高価なシリンダーやピストンが組んである
- しかも圧縮比アップ
- しかも加速重視のプーリーなどなど…
ヤフオクの現状渡しの得体の知れないエンジン本体の相場が2万前後、それに新品純正パーツを組んだら合計6万円以上になる。
さんざん悩んだあげく、4万円でお買い上げしました。
エンジン本体の換装作業は半日で終わるというのが一番の理由です。
しかも純正パーツで仕上げてあり、ヘッド面研による圧縮比アップや加速重視のプーリー装着など自分では絶対に手が出せない魔改造済、という誘惑に陥落したのです。
エンジン本体交換
交換作業をする日の朝は、ようやくワコーズ EPS エンジンパワーシールドが効いてきたのか、ほとんど白煙が出なくなっていました。
ワコーズ EPS エンジンパワーシールドは添加後300~500kmくらいは様子をみましょう。
白煙出なくなったけど…
どうせ一時しのぎだとは思うけど…
エンジン本体交換したほうが正解に決まっているけど…
と、白煙が収まってしまい余計に複雑な思いでエンジン本体を受け取り、潔く代金を払って、3時間もかからずにエンジン本体の交換作業は済みました。
マジェスティ250 2型や250Cのエンジン本体交換は、バイクの中でもかなり簡単なほうだと思います。
載せ替えたエンジンは一発始動で、当然ながら白煙も出ません。
なぜオイル交換した直後にオイル上がりやオイル下がりの症状がひどくなったのか?は未だに分かりません。
もしかするとキャブのダイヤフラムを交換してエンジンが良く回るようになったのが引き金になって、そこにオイル交換が重なっただけかもしれません。
原因は推測の域を出ませんが、とにかく、これでようやく再び、乗りっぱなしのバイクライフが送れると喜んだのですが…
バイク修理の底なし沼からの脱出ならず
で、ご機嫌に戻れたのか?というとそうではなく、さらに負のスパイラルは続くのです。
確かに白煙は当然ながら出なくなりました。
しかし載せ替えたエンジンは、タペットクリアランスを適正にしてもカチカチカチカチと耳障りな異音がしている。
7000回転以上エンジンを回すと突然リミッターが効いたように、失火したようにハンチングする。(リミッターは作動していない)
加速重視のプーリーは加速こそ良いに決まっているが、60km/h以上のスピードだとエンジンがうるさくて、長距離を楽に乗りたい&最高速度重視の自分には合っていないように思える。
と、またまた新たな不具合が派生してきたのです。
エンジン本体を譲ってくれた知人は、そんな不具合は全くなく快調だったというし、ダメなものを平気で売りつけるような人でもないのは知っている。
となれば、これら不具合はエンジン本体の各パーツが「なじんでくる」と良くなるかもしれない。
そう思って、しばらくは慣らし運転のつもりで様子を見ながら乗ることにしたのです。
マジェスティ250 2型のトラブルはまだまだ続く…