「バイク納め」などという概念なく、真冬でも日常的にバイクに乗る業務系ライダーにとっては、手指の防寒対策が必須です。
私はこれまで、風雨を避けるためのナックルガードとウインターグローブで氷点下の突き刺す外気と戦ってきました。
しかし指先がじんじん冷えるのに耐えかねて、今年の冬はついにあの”もっさり”した「ハンドルカバー」をバイクに装着しました。
これまではハンドルカバーが防寒対策に効果的と知りながら、もっさり感が嫌で避けてきました。
実際にバイクにハンドルカバーを装着して分かったメリット、デメリットをお伝えします。
バイクのハンドルカバーって本当に防寒効果あるの?
バイクにハンドルカバー付けるデメリットあるの?
このように、真冬にバイクに乗るときの手指の防寒対策にハンドルカバーを使うべきか悩んでいる業務系ライダーの参考になれば幸いです。
装着したハンドルカバー
私が実際にバイクに取り付けたのはリード工業のコンパクトなハンドルカバーです。
リード工業はバイク用ヘルメットで有名な国内企業で、数種類のハンドルカバーを長年にわたり製造販売している老舗です。
バイク用ハンドルカバー選びのポイント
様々なバイク用ハンドルカバーが売られていて、どれを選ぶか迷います。
私がハンドルカバー購入者レビューをじっくりと見比べた結果は次のとおり。
- 手指に外気が直接当たらない防風性能はどれも似たようなもの
- 防風性能が大差ないので手指の防寒性能も大差ない
- 防水性能はどれも不完全で雨中を走行すると内部が濡れてくる
- 雨ざらしでバイクを置いてるとカバーの開口部から雨が入る
- 雨で内部が濡れるが構造によって乾きやすさに違いがある
- 2シーズン以上使えるハンドルカバーは少ない
- カバーが大きめサイズとコンパクトサイズに分類される。
このような状況であることが分かったので、
内部が濡れても乾きやすいウレタンを使っている点
時速100km/h以上の空気抵抗を考慮しコンパクトなカバーである点
を重視してリード工業のハンドルカバーを選びました。
私は真冬の雨でもバイクに乗るので乾きやすさがもっとも重要です。
購入したリード工業のバイク用ハンドルカバーは、他のハンドルカバーと特別違いがなく、取り付け方法も同じ。
- ハンドルグリップとブレーキレバーをカバーの穴に通す
- カバーをハンドルになるべく奥まで差し込む
- ひもでミラーステーにくくり付けるだけで完了
片方5分もあれば工具不要で取り付け出来ます。ひもでくくるだけでも走行中カバーは外れません。
ウィンカーやセルスイッチ等は操作できるの?
ハンドルカバーを取り付けるとウィンカーやセルなどのスイッチは操作できるのか?
実は、私はハンドルカバー購入するまで疑問だったのですが、答えは単純、「ハンドルカバー越しに無理やりスイッチ操作する」でした。
そのためにハンドルカバーが一部透明素材になっており、指がどこら辺りを触ろうとしているのか見ることは出来ます。
でもご想像のとおり、ゴワついたカバー越しのスイッチ操作はやりにくいので、十分に操作練習してから走行することをお勧めします。
バイク用ハンドルカバーのメリット
ハンドルカバーを初めてバイクに装着した初走行は外気温1℃の夜でした。
ハンドルカバーの実力を試し、皆さんにハンドルカバーの防寒性能をお伝えするには素手でしょ!ってことで、外気温1℃の寒空のなか1時間弱バイクを運転しました。
結果発表!
ブレーキレバーが氷のように冷たすぎる
どうしてもカバーの隙間からわずかに寒気が入り込む
満点という結果にはならず指先はかなり冷えました。
しかし、指先が痺れてヤバいレベルまではいかず、バイクにハンドルカバーを付けると外気温1℃なら素手で1時間弱なら操縦できることが分かりました。
バイクのハンドルカバーは真冬の手指の防寒対策に効果的です。
バイク用ハンドルカバーのデメリット
ハンドルカバーを取り付けた初走行で、素手でバイクを運転したのには実は深い理由があります。
ウインターグローブをはめて、ハンドルカバーに手を突っ込もうとしたけど、ウィンターグローブが分厚すぎて突っ込むことが出来ませんでした。
ウィンターグローブよりは薄い防寒テムレスも試しましたが、テムレスのすべり止めのブツブツが袖口に引っかかって突っ込めませんでした。
ハンドルカバーをバイクに取付けてみて分かったデメリットは次のとおり
- 分厚いグローブはめた手は突っ込めない
- どうにか分厚いグローブを突っ込んでもブレーキやスイッチ操作が困難
- ウインカーやセルのスイッチ操作がやりにくい
- 時速60km/h以上になると風圧で凹んでくる
- ブレーキレバーの冷たさが際立ってくる
ハンドルカバーと分厚いウィンターグローブは併用不可
バイク用ハンドルカバーの袖口は冷気の侵入を防ぐためにゴムで縮めてあります。
それが邪魔で分厚いグローブはめた手が突っ込めません。
よって、私はハンドルカバーの袖口を切り取り、ウィンターグローブはめたまま突っ込めるようにしました。
カバーの袖口を切り落とし、ウィンターグローブはめた手を突っ込むと確かに手指の寒さはマシになります。
しかし、ハンドルカバー内に十分な空間がないため、ブレーキ操作の邪魔になる恐れがあることが分かりました。
これは速度をあげて風圧でハンドルカバーが凹んできた場合に、より一層ブレーキ操作が困難になります。
さらにウィンカーやセルスイッチの操作が余計にやりにくくなりました。
バイク用ハンドルカバーを取り付けたら、グローブは冬用ではなく、なるべく薄手のグローブを使わないと危険です。
ブレーキレバーの冷たさを痛感する
これまでは指先がかじかんで痺れて麻痺していたこともあり、ブレーキレバーの冷たさをどうこういう余裕はありませんでした。
しかし、ハンドルカバーを取り付けるとそれなりに防寒できて、指先の感覚が麻痺しないので、ブレーキレバーが猛烈に冷たく感じます。
分厚い防寒グローブで運転してもレバーの冷たさが我慢できないレベルです。
よくもまあ今までこんなキンキンに冷たいブレーキレバーを握ってたなあ、と思います。
人間は欲深いもので、なまじっか手指の防寒対策が出来ると、さらに快適さを求めて不満が出てきます。
バイク用ハンドルカバーを取り付けてから、冷たすぎるブレーキレバーの断熱対策しか考えられなくなりました。
バイク用ハンドルカバーの防寒効果を高める方法
グリップヒーター併用でコタツ状態にする
バイク用ハンドルカバーの防寒効果を高めるために、ハンドルグリップを温めるグリップヒーターも取り付け、コタツのように運用する人も少なくないようです。
グリップヒーターには、ハンドルグリップごと付け替えるタイプや、既存のハンドルグリップに発熱ヒーターを巻き付けるタイプがあります。
バイクの配線から電源を取るグリップヒーターは電気系統の知識が多少あればDIY可能ですが、無理っぽい人はバイクショップに作業依頼するのが良いでしょう。
私は余計な電装品はバッテリー負担増加や充電系のトラブルにつながるのでは?思ってて、グリップヒーター取り付けを決断出来ません。
レバーラップで断熱
グリップヒーターをつけてもブレーキレバーがキンキンに冷えてるのを温めることは出来ません。
実はブレーキやクラッチレバーに取付けて断熱効果があるレバーラップという商品が売ってます。
レバーラップは断熱だけでなくレバーの滑り止め効果を狙って取り付けている人もいて、まあまあメジャーなバイク用アクセサリーです。
貼るカイロをカバー上部に張り付ける(非推奨)
ネットを検索すると、バイク用ハンドルカバーの内側の上部、手の甲が当たる部分にカイロを貼り付けると幸せになれる、という情報も出てきます。
たしかに、そりゃ温かいだろう、と想像できるので、試す価値はありそうですが、ブレーキ操作の邪魔になる恐れがあるので私は推奨できません。
貼るカイロ+ハンドルカバーの防寒効果を試す場合は自己責任でお願いします。
売れ筋のバイク用ハンドルカバー
以上のようなバイク用ハンドルカバーのメリット、デメリット、防寒効果を高める方法を理解したうえで、真冬の寒さを乗り切るためにハンドルカバーの購入を考えている人に向けて、Amazonの購入者評価を参考に売れ筋を選んでみました。
↑迷ったらこれにすれば良いと言えるくらいアマゾンでもっとも売れてるコミネのバイク用ハンドルカバー
多くの中国製ハンドルカバーはこのコミネのパクリがほとんどです。
バイク用ハンドルカバーを使ってみた感想まとめ
バイク用ハンドルカバーって見た目が”もさっり”してて敬遠していましたが、真冬の雨の中でもバイクに乗るための防寒対策として試した結果をお伝えしました。
私としては、ウィンターグローブとグリップヒーターのおしゃれな組み合わせよりも、見た目はアレだけど手軽で防寒効果のあるハンドルカバーをおすすめします。
ただし、ハンドルカバーと分厚いウィンターグローブの併用は危険なので、レバーラップやグリップヒーターとの併用を検討する必要があります。
それでも、バイク用ハンドルカバーは「バイク納め」なんて関係なく真冬でもバイクに乗る業務系ライダーの手指の防寒対策の必需品だと言えるでしょう。